連載 第4話 「店頭に立つ不安と、ビラ配りで見えたもの」
■ 第3話までのあらすじ
100日でお店を生まれ変わらせる企画を始めたものの、初回投稿は予想外の炎上。
厳しい批判の中で「まずは現場を整える」というコメントに背中を押され、掃除とDIYに没頭する日々が始まりました。
少しずつ「今できる改善」を積み上げながら、次の一歩を探していました。
■ 「店頭に立ったほうがいい」という言葉の重み
100日企画の動画に寄せられたコメントの中に、何度も見かける言葉がありました。
正直、その言葉に従うのは少し怖いものでした。
現場から目を逸らしているというもっともな指摘であり、
自分が今更お店に立ったからって何が変わるのだろう?
という不安が頭の中を巡っていました。
でも、たしかにその通りだとも思いました。
だから私は、自分自身で店頭に立つことに決めたのです 。
■ 誰も来ない店内で膨らむ不安
ところが現実は、想像以上に厳しいものでした。
私が出勤して店頭に立つと、
不思議なほどお客様が来ないのです。
時間だけが過ぎていき、
何をしていいのかも分からないまま、
ただ立ち尽くす日々。
「私がいることで、逆に入りづらくなっているのでは?」
そんな考えが頭をよぎり、不安ばかりが膨らんでいきました。
■ 1月後半、北風の中でのビラ配り
そんな中で届いたのが、
「ビラ配りをしてみては?」
というコメントでした。
店内でクヨクヨと悩んでいるより、
外に出てみよう。
そう決めて、私は店頭にいられる時間を、
ビラ配りに使うことにしました 。
時期は1月後半。
とにかく寒くて、手も足もかじかみ、
体だけでなく心まで冷えてしまいそうでした。
正直、何度も「今日はもうやめようかな」と思いました。
それでも、
「頑張ってるね」
「寒いのに大変だね」
と声をかけてくれる近所の方や、
顔なじみの常連さんがいました。
ビラを受け取ってくれるその一瞬のやり取りが、
驚くほど心を温めてくれました。
気づけば私は、ビラ配りが少し楽しいと思えるようになっていました。

■ 「今のお客様」を大切にするということ
そんな中で、特に心に残ったコメントがあります。
ハッとしました。
未来の理想ばかりを見ていて、
“これまで来てくださったお客様”
“今ここに来てくださっているお客様”
を、ちゃんと見ていなかったのかもしれない、と気づかされたのです 。
■ お客様へのインタビューと新たな挑戦への決意
幸い、私には心強い先輩がいました。
私の動画を見て「力になれるかもしれない」と声をかけてくださったのです。
お客様へのインタビュー設計や分析に詳しいその先輩からやり方を教わり、私はビラ配りで培った勇気を胸に、お客様へのインタビューを始めました。
- 普段どんな生活を送っているのか
- どんな商品が欲しいのか、価格帯やサイズ感はどう感じているか
- なぜこのお店に来てくれているのか、他に好きなお店はあるか
一つひとつを丁寧に聞き整理していくと、
私の想像とは違う答えがたくさん返ってきました。
しかし、分析結果を商品や売り方に反映させるには時間がかかります。
このままでは100日企画の更新が止まってしまう。
「今、動けることは何だろう?」と考えたとき、
ビラ配りで鍛えられたメンタルを武器に、
もう一歩外へ出る決意をしました。
自分たちの商品を扱ってもらっている
「百貨店の催事会場」に、
直接行ってみよう。
お客様の前に立ち、自分の言葉で商品を伝えてみる。
それを100日企画として発信しようと考えました。
この決断が、次の大きな失敗と再びの炎上につながるとは、
この時の私はまだ知る由もありませんでした。
次回予告|第5話:百貨店催事での失敗と、再炎上からの学び
「お客さんに直接店や商品の魅力を伝えに行こう」と意気込んで挑んだ百貨店催事。
しかし、初日から大きな失敗をしてしまいます。その様子をありのままに投稿したところ、再び炎上の渦中へ。
厳しい指摘の中で気づかされたのは、商売人としての“誠実さ”と“プロ意識”の欠如でした。
誰に対しても失礼がない伝え方とは何か。失敗から学んだ、プロとしての真摯な姿勢について綴ります。
(キーワード:店舗運営/ビラ配り/顧客インタビュー/リブランディング実例)