連載 第1話 ごほうびショコラがLudeekになるまで ― 100日の生まれ変わり記録

“ごほうびショコラ」の壁に気づいた日
はじめまして。Ludeekで店舗運営やスタッフ管理、オンラインショップの対応やメルマガ、お客様からのリクエスト受付などを担当している松尾萌(まつおもえ)です。現在は3歳の息子と1歳の娘の子育てをしながら、こうしてお店のブログの執筆などもしています。
そして、Ludeekオーナーシェフである松尾幸之助は、私の夫です。
この店はもともと、夫がひとりで始めた小さなガトーショコラ専門店でした。しかし、ありがたいことにお客様が増え、ひとりでは手が回らなくなってきたことから、「夫婦でお店を育てていきたい」と思い、私も店に合流するようになりました。
■ “ごほうびショコラ”という名前に感じた違和感
お店を始めた当初、深く考えずに決めた屋号がガトーショコラ専門店「ごほうびショコラ」でした。響きも良く、近所の方や常連さまにも親しんでいただき、私たち自身もこの名前がとても気に入っていました。
しかし、お店が福岡でスタートして5年ほど経った頃、ある問題に気づき始めました。
「この名前で、これから先、店舗展開していけるのだろうか?」
試しに「ごほうびショコラ」と検索してみると―― 大手カフェチェーンの新作ドリンク、他の有名店の商品、テレビや雑誌の企画名…と、私たちのお店とは関係のないものが次々と出てきました。
つまり、「ごほうび」も「ショコラ」も、私たち独自の言葉ではなく、全国で広く使われている一般名詞。私たちが独占できる言葉ではないので、「うちの屋号ですよ」と言って他の使用を止めることはできないのです。 このままでは検索面でもブランドとしても、“埋もれてしまう未来”が見えていました。
■ 葛藤――愛されてきた名前を手放すことの怖さ
「ごほうびショコラ」という名前は、地域の方々に覚えてもらい、私個人としても夫から私への想いがこもった名前で、お客様に育ててもらった大切な屋号でした。
名前を変えたら、お客様が離れてしまうのではないか。 そもそも、私たち自身もこの名前に思い入れがあった。
けれど同時に、小規模個人店のまま原価高騰の波を受ければ、いずれは店を維持できなくなる現実もありました。
名前を守るか、店を続けていくか。この二択の前に、私たちは立ち止まりました。
■ 私が試していた“小さな改革”と、手応えのなさ
屋号改名の議論に至る前、私はとにかく「今できること全部をやってみよう」と、現場に変化を加えてみました。
- イベント企画
- ポスターの全面リニューアル
- 窓に季節の飾り付け
- 期間限定商品ののぼり旗の制作
少しでも足を止めてもらいたくて。 少しでもこの店を知ってほしくて。
でも結果は、どれだけ頑張っても売上も来客数も大きくは変わらないという厳しいものでした。
「このまま“ごほうびショコラ”のまま、ゆっくり衰退していくのかな……」 そんな不安が、胸の奥で大きくなっていきました。
■ 私が“店を続けたい”と思う理由
それでも、この店をなくしたくない、と強く思っていました。
夫が、私を信じて立ち上げてくれた店。
そして何より、常連のお客様がこの店を好きでいてくれる。その気持ちを裏切りたくなかったからです。
だったら大きく舵を切るしかない。名前もブランドも 。
1年以内に変えていこう。
夫婦でそう決意した瞬間がありました。 これが、新しい名前「Ludeek」が生まれる物語の始まりです。
第2話予告
次回の第2話では、 「100日生まれ変わり企画」の本当の始まりと、いきなり訪れた“大炎上” についてお話しします。
お店を変えたい一心でスタートした挑戦。 しかし、 初回投稿がまさかのSNS炎上。 批判の嵐のなか、それでも気づかせてくれた “ありがたい有益なコメント” もありました。
傷つき、心が折れそうになりながらも、 それでも前に進むと決めた100日の裏側を赤裸々に綴ります。