連載 第6話:プロに頼る決断と、Ludeek誕生まで
■ 第5話までのあらすじ
百貨店催事での失敗と再炎上を経て、
私は「伝え方」と「向き合い方」の大切さを学びました。
厳しい指摘と温かいアドバイスの中で、
売り場の現実と自分の未熟さに気づき、
本当の意味で「お店を変える」とはどういうことなのかを
考え始めたのです。
■ 「自分で全部やる」という執着からの脱却
100日企画を始めた当初、
私は「できるところは全部、自分でやろう」
と決めていました。
DIYをしながら、
お店の新しい名前も自分の力で考え抜く。
それが誠実さだと思っていたからです。
実際、企画が50日を過ぎた頃には、
ペンキ塗りも工具の扱いも
かなり慣れてきていました。
ちぐはぐだった内装を塗り替え、
福岡中のスイーツ店を巡ってディスプレイを研究し、
できる範囲で“おしゃれ”を取り入れていく作業は、
達成感もあり、正直とても楽しかったのです。
■ 自己流の限界と、プロを頼るという選択
しかし、その努力を動画で投稿すると、
反応は真っ二つに分かれました。
好意的な声がある一方で、
特に商品を目立たせるために
設置したレジ横の棚については、
非常に厳しい意見が届きました。

・「お店の格が下がる」
・「そこはプロの領域」
その言葉を突きつけられたとき、
私はようやく認めました。
「ここから先は“努力”じゃなくて“専門”なんだ」と。
どれだけ頑張っても、
自己流は素人感から抜け出せません。
失敗を繰り返してお金と時間を浪費するより、
プロの力を借りることが結果的にお店のためになる。
そう思い、私は建築デザイナーさんや
ブランディングのプロデューサーさんを探し始めました。
■ コンセプトが決まらない――葛藤と対話の日々
素晴らしい専門家の方々と繋がれたものの、
すぐに次の壁にぶつかりました。
そもそもコンセプトが定まっていない。
内装をどうするかの前に、
「どんな店にしたいのか」が決まっていなかったのです。
プロデューサーさんは、
斬新な色使いや動物モチーフなど、
魅力的な案をいくつも提案してくれました。

しかし、夫と深夜まで話し合う中で、
私たちは何度も白紙に戻しました。
「「今のお客様を大切にしたい」
「だから赤色は、外したくない」
「このガトーショコラで、元気になってほしい」
「新しいことにも挑戦したい」
「でも、今のお客様を置いていく店にはしたくない」
多くの想いが絡まって、
ほどけなくなって。
それでも何度も言葉にしていった結果、
少しずつ輪郭が見えてきました。
■ 新屋号「Ludeek」に込めた覚悟
私たちが作りたかったのは、
当店の酢オーツを食べた人がふっと笑顔になれ、
私たち自身は遊び心を忘れず挑戦し続ける、
芯のあるお店でした。
そして辿り着いたのが、
フランス語の「ludique(遊び心)」と
英語の「seek(探し続ける)」を
掛け合わせた名前――Ludeek(ルディーク)です。
言葉に出した時に自然と笑う表情になれることも大事にしました。
ブランドカラーは、
「ごほうびショコラ」の赤を大切に受け継ぎながら、
新しさが伝わる爽やかな赤色へと刷新しました。
店名とコンセプトが決まり、
ようやく内装デザインも形になり始めました。

■ 100日間で変わったのは、私自身の「中身」だった
しかし、このとき既に100日企画の終了が見えていました。
工事は間に合わず、
100日目に完成した店舗を見せることはできません。
それでも、私は絶望していませんでした。
形は間に合わなくても、
この100日間で私自身の「中身」は確実に変わったからです。
- 問題から逃げなくなった
- 人の意見を真摯に聞けるようになった
- 失敗を失敗のまま終わらせなくなった
- そして何より、一人でやろうとしなくなった
それが、この挑戦を通じて得た一番大きな収穫でした。
最終話予告:100日を終えて ― 生まれ変わりの日、そして未来へ
いよいよ連載も次回が最終回。
工事は間に合わなかったけれど、
100日間で変わった“中身”と、
SNSを通じて出会えた人たちの存在。
2024年7月13日、
Ludeekとして再スタートを切った日のこと、
そしてこれからも進化し続けるという私たちの宣言をお届けします。
(キーワード:ブランディング/店名変更/店舗デザイン/Ludeek)